ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島【映画感想】

リクエストがあったのでレビューしました。マシュマロ下さった方、ありがとうございます!

ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島
公開年:2005年
監督:細田守
主演:田中真弓(声)
ジャンル:アニメ、アクション
鑑賞日:2022年8月7日

▼感想
『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』は劇場版ワンピースの初期作品で、作中時間としてはロビンが仲間になったあたり。
中学生頃にレンタルかなんかで観た(公開当時はガキすぎて観てなかった)ときにスゲー面白かったんですが、さらに数年経ったあとネットの評価に触れてボロクソに言われてるのを見てびっくりした記憶があります。

で、今回『ONE PIECE FILM RED』(以下フィルレ)がこのオマツリ男爵の雰囲気にかなり近いという評判を聞いて、フィルレ鑑賞後にオマツリ男爵を観なおすことにしました。

結果:フィルレより1000倍おもしれー

いや感想にも書いたけどフィルレも面白かったんですよ!!面白かったけど…オマツリ男爵が…良すぎる!!内容ほぼ覚えてなくて作画だけ異常に良かった記憶しかなかったんですが、観なおしたら内容もかなり面白かったです。

ここ数日で『ONE PIECE FILM RED』『ONE PIECE STAMPEDE』『ONE PIECE FILM GOLD』を観たけど…わりぃ!オマツリ男爵超えねぇ!!(ドン!)というのが率直なところ。

ただ、オマツリ男爵に対する否定的な意見もわかるにはわかります。かなりホラーテイストだし、ワンピにしては説明が少ないし、作画もだいぶデフォルメに癖があるので、原作っぽい雰囲気が好きならそりゃ合わないだろうな~とは思います。

が!

個人的にはダントツでカット割り(構図)や展開、バトル演出、敵キャラ(オマツリ男爵)の設定が良かったなと感じました。ワンピース映画にしては起承転結がしっかりありすぎるのでそこが逆にネックになってるのかもしれないが…。

★本題
『オマツリ男爵と秘密の島』は謎の島にやってきた麦わら海賊団が、オマツリ男爵なる男が開催する金魚すくいや輪投げなどのゲームに付き合わされる…という至ってキッズ向けな展開の中、大量に並ぶ墓標や人が一切いない街などの不穏なシーンが挟まり、最終的に仲間が一人ずつ消えていき、クライマックスには色彩が失われた画面の中でルフィがボロボロになりながらバトルをしてなんとか勝ってハッピーエンドです。

バトルもいつものド派手アクションじゃなく、ものすごい泥臭い血反吐吐くようなバトルです。しかも、敵の取り巻きによる「〇〇様の能力は~~の実!××をして△△できる完全無敵の能力だぜ~~!!」みたいな定番の説明も一切なく、ただただエグい能力を無言で撃ってくるオマツリ男爵がいるのみという状況。技名も言ってくれない。たぶんなんらかの能力者であろうなことくらいしかわからない。これが不気味さに拍車をかけて異様な雰囲気をまとっているんだと思います。

とはいえクライマックスでいきなりホラーになるのではなく、序盤のギャグパートでもロビンがずっと不審がってたりPOV視点で歩き回る演出(ホラー映画によくある)が入ったりと「今回は不穏やで^^」というメッセージが端々にあってよくまとまっているんですよね。

また、麦わら一味が普段とは違い、ちょっとしたことで仲違いしてしまうのも舞台の不気味さを強めるのに一役買っていると思います。

たまに「オマツリ男爵はキャラ解釈がおかしい!」と怒ってる人がいますが、ナミが作中で「いつもはこんなことない」と言ってるとおり、あの島はオマツリ男爵の悪意にまみれすぎて普通じゃない(からあそこまで瓦解してしまった)と解釈できるので、変ではないと思います(これは一緒に観てた友人の言で、私も同意見です)。私はスタンピードの敵が巨大ロボになったときに誰もカッケ~~!ってならなかったほうが気になったゾ。

結局のところ、私がこの映画を好きなのは、広いグランドラインには「俺は強い!(ドン!)かかってこい麦わらァ!(ドン!)」「うるせぇ!ゴムゴムの~~~(任意の技)!!」で解決できるような男ばかりではなく、どうしようもないことでどうしようもなくねじ曲がってしまい勝った負けたとか救った救われたの埒外に行ってしまった男の100人や200人いるよねということを描いてるからなような気がします。

ワンピースの世界にそんな男はいねぇ!!(ドン!!)という考えならそれはもう相容れぬだけですが…。

でも、麦わらと正面切って戦える男はその時点である程度幸せ者なんじゃないでしょうか?

オマツリ男爵は最後までモンキー・D・ルフィという個人を見ずに「仲間がいる人間」と「仲間を助けられなかった俺」でしか見てなくて、最後も哀しみを乗り越えられたのかどうかすらわかりません。

私はそんなオマツリ男爵が大好きです。グランドラインの海底にはそういう男の死体が500万人くらい沈んでいてほしいと思っています(夏休みの作文)。


▼評価(各☆5つで満点)
おもしろさ:☆☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆
ダーホソ映画で唯一面白い:☆☆☆☆☆

▼アマプラで無料で観れるので見てくれ

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