公開年:2024年
監督:エマ・タミー
主演:ジョシュ・ハッチャーソン
ジャンル:オカルト、ホラー
鑑賞日:2024年2月17日
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ネタバレ感想
はあ…。
原作ゲームが好きで、もうけっこう前から楽しみにしてた映画だったので悲しみもひとしおと言った感じですがちゃんと記録しておきましょう。
映画のあらすじ
幼いころ目の前で弟を誘拐された主人公は、犯人の手がかりを探すため独自の方法で明晰夢を見て当時の記憶を掘り出そうとしていた。しかし、そのせいで精神的に不安定であり、何度も職を解雇されていた。幼い妹の保護者でもある主人公は、親権を取られないようなんとしても職を探さねばならず、閉店したピザ屋「Freddy Fazbear’s Pizzeria」の夜間警備に就職する。
しかし、妹の親権を奪おうとする叔母の刺客や、強引な睡眠療法、そしてピザ屋にいるアニマトロニクスたちのせいで不気味な現象が続き…。
どうですか。
このあらすじだけ見ても「いらん要素付け足してるな…」って感じするでしょ。これ全部観るとわかりますが本当にいらないんです。びっくりですね。
というわけで詳しく見ていきますが、あくまでも原作ファンが見た感想ですので初見の人がどう思うかは知りません。
ストーリーの面:話が長い、ジャンルが迷子、原作要素ほぼなし
ストーリーに関しては、とにかく長い!テンポが悪い!あんなにテンポのいいゲームを原作にしてなんでこんな途中気絶しそうなくらいダルいのか?答えは映画オリジナル要素が多すぎるからです。
まず主人公の家庭の事情や明晰夢云々の設定を説明するために尺を使うので、夜間警備に入るまでが長い。入ってからも1日目は何事もなく終わり、叔母からの刺客とか謎の女巡査(一応ヴァネッサらしいが)との出会いとかが挟まる。
刺客たちは主人公の過失にするためなぜか主人公の勤務時間外にピザ屋をぶっ壊しにきて、そこでフレディたちが初めてはっきり出てきます。でも、肝心の襲撃シーンはカメラが遠かったり直前でカットが入ったりしてなにが起きてるのかよくわからない。
で、なんかいろいろあって妹を連れて夜間警備に来る主人公。
ここで妹がフレディたちと仲良くなり、主人公も一緒にテーブルで秘密基地を作るシーン♡があります。
いらねえ!!!!!!!!
そんなシーンに金使う暇あったらホラーシーンに力入れてくれ!!!!!
なんでこんなフレディ夢みたいなシーンがあるかというと、もうこの1作だけで「フレディたちには実は子供の幽霊が憑いていて、黒幕にはウィリアム・アフトンっていうイカレおじさんがいるんだ!」ってとこまでやっちゃうからです。フレディたちが妹と遊んでくれるのは同世代の子供だからってことですね。
ちなみに原作ではウィリアム・アフトン(Purple Guy/スプリングトラップ/映画では黄色いウサギ)がしっかりこの文脈で出てくるのは3作目です、3作目。
原作1~3の内容を映画オリジナル要素と混ぜながらやってうまく話がまとまるかというとそんなわけはなく、最後駆け足で背景の口頭説明があって「そ、そうですか…」と思ってるうちに終わるって感じです。
しかもジャンルも迷子で、主人公が夢を使って犯人を追うサスペンスをやりたいのか、フレディたちによる人外スプラッタをやりたいのか、子供の幽霊の無邪気な恐ろしさを描くオカルトホラーをやりたいのか、主人公と妹のヒューマンドラマをやりたいのか、ウィリアム・アフトンのヒトコワをやりたいのか、な~~~~~~んもわからない。すべてが中途半端。助けてくれ。原作あんなにシンプルで怖い傑作なのに?なんで?
で、最終的に私が大号泣になったところなんですが、
ウィリアム・アフトンがわざわざ現場に来てイキって死ぬwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(文面は笑っているが、泣いている)
いやスプリングトラップの経緯ってかミニゲームの内容を雑に拾うとたしかにそんな感じなんだけど…けど!!!この流れで出てきてイキリバニーおじさんにするのは違うじゃん!!即落ち2コマみたいな死に方するし!!なん…なんなん!?!?
もう実写化なんてこりごりだよ~~~!!
というわけでバナナインコになりましたが、エンディングにちゃんとThe Living Tombstoneの曲が使われてたのでそこは嬉しかったです。
あと、普通にフレディやフォクシー(推し)の再現はすごかったです。みんな可愛かった。ストーリーに関しては無限に泣いてしまいますが店内やフレディたちの造形はよかったと思う。
ただ…私が本当に怒ってるのはストーリーにじゃないので…(こんなに書いておいて!?)
ホラーの面:FNAFなのに1ミリも怖くないという奇跡
ホラー映画の場合、しょうみストーリーがカスでも怖ければ1億点であるという持論は、ここやTwitterで何度も展開しております。
これはこのFNAFでも変わりません。原作は好きですが、私はホラー映画を見に来ているのでホラー要素が良かったら別に原作から改変されててもいいのです。
で怖くなかったから怒ってるんですけど、
あの~~~マジで、びっくりするくらいホラー要素がない。ホラーの雰囲気しかない。辛うじてイキリバニーおじさんにバネが食い込むところはグロめでよかったけど、それ以外はなんもない。
原作の魅力である、
・守衛室から動けない状態で、監視カメラ越しにじりじりと近寄られる恐怖
・フレディ達の顔のアップのジャンプスケア
・アニマトロニクスに人間が詰め込まれるスプラッタ
これ、ほぼない。限りなく0%。映画独自の切り口のホラー要素ももちろんない。
辛うじてフォクシーのホバリング盗塁(ちゃんと走れ)でどアップが来るけど、それも2回くらいしかない。FNAFの実写化で約2時間使ってジャンプスケアが片手で数えるほどしかない。どゆこと?ほんとに。
イライラするのが「うわ~~~襲われる~~~!」→カットで次のシーンもしくは暗転 のパターンが多すぎること。せめて内骨格チラリどアップ入れるか、詰め込まるシーンに移って血がブシャブシャ出てるとかはやってほしかったです。あれだとフレディ達が具体的になにしてるかわからないんだよな(後半に詰め込まれた死体が一瞬出てくるけど画面が暗くて初見だとわからないと思う)。
スプラッタぽいシーンは子守の女性がフレディに噛まれて真っ二つになるところと、イキリバニーが自滅するところくらい?女性が真っ二つになるのはフレディの一口が大きすぎて草ですがまぁ…あれすらなかったら本当にぬるすぎるから…。
監視カメラホラーは正直「「ない」」と言っていい。刺客がたまたま入った守衛室で監視カメラ越しにボニーたちを見るシーンはあるけど、肝心の主人公は警備中基本寝てるから監視カメラ見ない(は??)。
「そこにいるしかない状態で監視カメラ越しに迫られる」のと、「自由に動ける状態でたまたま監視カメラを見て迫ってるのを知る」のとじゃ怖さの質が全然違うと思うんですが、なんでこんなことになったんでしょうか。
あとは…(無限に出てくるな…)フレディ達が動く理由のネタバラシが早すぎて子供の幽霊が普通に出てくるので途中からフレディ達が完全に霞んでましたね。
だって子供が動かしてるってわかっちゃうんだもん。
しかも子供の幽霊が横に立ってるんだもん。
じゃあもう最初からゴーストキッズオカルトホラーをやればいいんじゃないか…?フレディ達いらなくないか…?フォクシーの横にバキバキにビジュがはっきりしてるゴーストキッズ立たせるのやめてくれんか…?
あの、なんかキモいヤバイアニマトロニクスが動いてるし俺を狙ってる!!??なんで!!??っていう恐怖が秒で終わるので、そこをFNAF最大の魅力だと思っていた私は見事にバナナインコになってしまいました。
二度目。
そういえば冒頭で「6:00」って表記が出てお!原作リスペクトだね❤っと思ってたらその後一切出なかったのはなんだったんだ(私が気絶してて見逃してる可能性もあります)。
おい!!無限に出る。これ無料配信で見てたらウェルカムトゥラクーンシティ程度には愛せたかもしれないけど劇場で見てしまったので終わりです。ほな…。
5段階評価
おもしろさ:☆
画の綺麗さ:☆☆
テンポの良さ:☆
キャラの良さ:☆☆☆
フォクシーが一生懸命机持ってるところ:☆☆☆☆☆