CoCシナリオ『心は焦土』
愛する人が血を流して倒れている。自分の手には大きな灰皿が握られている。
濡れた髪、血がついた灰皿、死んだひと、生きている 自分。
◆概要（PL開示情報）
PL人数：2PL固定（タイマン不可）
所要時間：ボイセ3時間～6時間
探索者：大切に思い合っている二人限定。新規・継続不問。
KP難易度：普通
謎解き難易度：難
戦闘難易度：難
戦闘：完全回避可能
ロスト率：中
推奨技能：【目星】
形式：クローズド・ルルブ第6版準拠
ジャンル：SFサスペンス
キーワード：殺人、バディ、協力
備考
・感想、リプレイ動画など→歓迎！ネタバレ配慮＆シナリオ名の明記をお願いします。
・シナリオ改変→OK。根本的な世界観の改変以外ならご自由に。
・改変シナリオの配布→不可。
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・HOありの2PL固定シナリオです。HOに沿った探索者で参加してください。秘匿HOはありません。
・【共通HO】あなたたちは愛し合っている
・【HO1】あなたは愛する人を殺した【HO2】あなたは愛する人に殺された
・「お互いを大切に思っている二人」なら兄弟・相棒・親友などでも可能です。
・本シナリオには探索者同士に性的な行動を取らせるような展開はありません。
・ルートによっては永久ロストします。
・理不尽な暴力/殺人が含まれるため、未成年（特に児童）探索者はご遠慮いただけると幸いです。
※この記事は【試し読み】です。シナリオ全文・画像素材は下記ページで有料頒布しています。
※以降の項目はＫＰのみがお読みください。
※トレーラー画像直後の目次がネタバレなのでお気をつけください
ＫＰ準備
本シナリオでは特別な事前準備は必要ありません。
①シナリオ中「HO1にのみ渡す情報」「HO2にのみ渡す情報」が出ます。
その場合、通常の凡例に加え
＊HO1＊：HO1にのみ渡す情報
＊HO2＊：HO2にのみ渡す情報
の特殊凡例が使われています。
情報の渡し方はKPの回しやすい形で大丈夫です。
あくまでも「HO1（HO2）探索者がわかった情報」という意味なので、PL間でも秘匿しなければいけないわけではありません。探索者のRPによっては情報を共有してもまったく問題ありません。
②マスターシーンが長い代わりに、探索パートでやらなきゃいけないことが少なめになっています。RPを楽しみたいPLには探索パートで存分にRPできるようにしてあげてください。
③シナリオ中の日付・PCに合わせた細かな描写・振る技能の改変はOKですが、それ以外の改変はご遠慮ください。
シナリオの見方
目次があるので適宜飛んでください。
●凡例
<探索ガイド>…シナリオ上用意されている探索場所。
［KP情報］・※…KPのみが知る情報。
［開示情報］…なんらかの行動後、PLに開示していい情報。
【（技能名）】…該当技能を振ったときに出る情報。マイナス補正は目安であり、KPが適宜調整してよい。
☆…SANチェックポイント
“”…資料
《入手》…入手アイテム
→〇〇へ…次のイベントもしくは移動先の場所
◆…戦闘相手
＊HO1＊：HO1にのみ渡す情報
＊HO2＊：HO2にのみ渡す情報
背景
3/14にHO1の家でヨグ＝ソトースが招来され、発狂したHO1はHO2を殺している。だがそのせいで招来の儀式にゆがみが生じた。時間と結びついているヨグ＝ソトースの影響を受け、二人は次々と過去に飛ばされる。
探索者は少しずつ情報を集めて、3月14日の惨劇を回避しなければいけない。
［時系列］※番号はシナリオ中に飛ぶ順番
3/14B…ナイフで手を切る・ヨグ召喚・発狂・HO2殺害①③⑩
3/13B…なにもなし・HO2を泊める
3/12B…レストラン②
3/13A…アフォーゴモン（ここで3/12Bへ）⑥
3/12A…死体・バス⑤
3/11…倉庫・ヨグの息子に会う・HO1殺害⑧
3/10…博物館・灰皿④
3/9…なにもなし⑦
3/8…ヨグの息子の露店・ブレスレット⑨
探索中に見る探索者たちの姿は本来の時間にあった残像のようなものであり実際に存在しているわけではない。
また、3/12A~13AのHO2は軽い発狂状態であったため、「大事な人の死体をボストンバッグに詰めて旅をする」という常軌を逸した行動を取っている。
登場ＮＰＣ・神話生物
①ヨグ＝ソトース（６版p.226）
神格/敵対/ルートにより遭遇
探索者の家に招来された神格。導入の時点でヨグ＝ソトースを見たHO1は確定発狂をしている。
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②ヨグ＝ソトースの息子（マレモンp.117）
神話生物/敵対/確定遭遇
HO2にブレスレットを身に付けさせ、HO2を触媒に父親であるヨグ＝ソトースを召喚しようとしている。
戦闘は想定されていないが、する場合は以下。
属性：神話生物 装甲：7（魔術によるもの）
STR35/CON35/DEX17/HP40/DB2d6
回避：50%
触手で刺す：60% 1d6+DB
噛みつく：90% 2d6
支配魔術：60% 対象をスタンさせる
備考：触手はタッチ～5mのロングレンジ。
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③アフォーゴモン（マレモンp.253）
神格/中立/ルートにより遭遇
ヨグ＝ソトースの化身にして時間を司る神格。ブレスレットを頼りにドリームランドに通ずる洞窟にたどり着いたHO2に興味を持ち、HO1が死ななかった3月12日へ飛ばしてやった。ただしこの神格は完全に味方というわけではなく、HO2を生贄として奪い去る隙を狙っている（エンドB参照）。エンドAの場合は成し遂げた二人に免じて帰路を示している。
なお、シナリオ中の「妙な願いだ」という言葉は、自分の権能とまったく違うこと（死者の蘇生）を願われたことに対する感想であり、特に謎解きには関係ない。
導入
※以下、シナリオ本編
［KP情報］この時点でHO1は発狂しているため自由行動はできない。
頭が重い。目の焦点が合わない。吐き気と息苦しさが胃を圧迫している。耳鳴りに顔を歪めながら、ぼんやりとした視界に見慣れた風景を感じ取る。自分の家のリビングだ。デジタル時計が淡い光を灯して今日の日付―――3月14日を映しているようだった。
HO1は段々と自分の目のピントが合うにつれ、床に誰かが倒れていることに気づく。それは紛れもなくHO2だった。
HO2は大量の血を流してピクリともしない。自分の荒い呼吸が鼓膜を打つ。駆け寄ろうとして、腕を前に出す。自分の右手に大きな瑪瑙（めのう）の灰皿が握られている。灰皿には血がこびりつき、赤黒い雫となって床に数滴、落ちていく。
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【目星】
灰皿に血以外の汚れはない。タバコの灰も吸い殻も入っていない。これはいつ買ったものだったか、よく思い出せない。
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灰皿を置き、HO2の体に近づく。息をしている様子はなかった。大量の血が床を濡らしている。髪が汚らしい赤と生臭さにまみれている。死んでいるのは明白だった。
動悸が激しくなる中、背筋を伝う水滴に体が震える。ここでようやく、自分が全身びしょ濡れで、布一つ纏っていないことに気づく。
自分の家で、濡れた体で、血塗れの灰皿を持っていて、目の前にはHO2の死体。
耳鳴りが止む。背後から水が流れる音がする。バスルームに誰かいる。蛇口をひねり、キュ、と水が止まる音がする。誰かがバスルームから出てくる。ドアに手がかかる―――。
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ここまで描写したら→イベント：はじまりへ
イベント：はじまり
笑い声、食器が重なる音、ハッと意識が明瞭になる。探索者たちはレストランで夕食を取っていたところだった。テーブル席に向かい合って、二人とも手にはフォークとナイフ。皿の上にステーキ。机上のスマートフォンには「3月12日19:30」と表示されていた。
レストランには他にも様々な客が来ていて、それぞれ楽しそうに談笑している。探索者たちは一瞬、息を殺してお互いを見る。
HO1は、自分の部屋で血を流して死んでいるHO2を覚えている。
HO2は、HO1の部屋で頭を強く殴られて自分が死んだのを覚えている。
感情の如何はともかく、状況は「自分が目の前の人物を殺した」「自分が目の前の人物に殺された」という結論に至るものだった。
☆悍ましい経験にSANc（1/1d3）
さらに、探索者たちは今が「2日前」であることに気づく。自分たちの記憶では「今日」は「3月14日」のはずだ。この場所、この喧騒、この食事は、たしかに2日前に経験した出来事だった。
☆奇妙な現象にSANc（0/1）
自分たちは何かを話し合うべきかもしれない。あるいは、この状況を調べるべきか。
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※ここまで描写したら→場所：3月12日へ
場所：スマートフォン
※PLから「スマートフォンを調べる」と宣言があった場合のみ
それぞれのスマートフォンは汎用探索箇所である。シナリオ中に好きなタイミングで何度でも中身を調べられる。
［KP情報］探索者たちが居る日付によって出てくる情報が違うため注意すること。以下はシナリオ内に登場する日付一覧。
①3月14日（イベント：決着の3月14日）
②3月13日B
③3月12日B（場所：3月12日）
④3月13日A（サブイベント：朱鷺洞）
⑤3月12日A（イベント：岬めぐり）
⑥3月11日
⑦3月10日
⑧3月9日
⑨3月8日
［KP情報②］基本的には「背景」に書かれた時系列と矛盾しない情報が出る。ただし、3月12日のステーキ屋以外は探索者たちにとって突発的な外出・用事であるため、カレンダー等を見ても記録は残されていない。「GPS記録を見たい」といった申し出があった場合は【コンピューター】1/2のように厳しい制限をかけて技能を振らせるとよい。
場所：3月12日
ここはどちらからともなく提案して入ったステーキ屋だ。口コミの評判はよく、実際頬張ったステーキは美味しかった。記憶の中では。
店内はロッジ風のテーブル席に、酒瓶が並ぶカウンター席がある。窓の外からは6台ほど止められる駐車場が見える。客入りは上々らしい。
<探索ガイド>
①自分たち②他の席③駐車場
※②も③も自分たちの席から様子を伺える
※PLから「スマートフォンを調べる」と宣言があった場合のみ→場所：スマートフォンへ
①自分たち
特に不調はない。服装は2日前のもの、つまり3月12日に着ていた服を着ている。
【目星】
＊HO1＊
自分の体に外傷はないようだ。視線を映してHO2の手首を見ると、黒い石が付いたブレスレットをしていた。あれはなんだったろうか？
＊HO2＊
自分の体に外傷はないようだ。頭を触ってもなんともない。ふと自分が黒い石が付いたブレスレットをしていることに気づく。これはたしか一週間くらい前にHO1と出かけたときに買ったものだった気がするが、確かではない。
【アイデア】
＊HO1＊
ここ一週間ほどの記憶が曖昧であると気づく。昨日―――今が3月12日なら「明日」だが、自分たちは夜に酒を飲み、そのままHO2を家に泊めたはずだ。しかしどうしてあんなことになってしまったのかはわからない。それ以外のことはよく思い出せない。
＊HO2＊
ここ一週間ほどの記憶が曖昧であることに気づく。4日前―――今が3月12日なら「一昨日」だが、そのときもHO1とどこかへ出かけた気がする。博物館だったか美術館だったか、とにかくそんなところだったような記憶がある。それ以外だと「ブレスレットを買ったような気がする」程度しか思い出せない。
［KP情報］両者とも度重なる発狂とヨグ＝ソトースの影響により記憶が混濁している。
②他の席
斜め向かいの老夫婦を見る。二人はずいぶん機嫌が良い様子で、比較的大きな声で会話している。内容は「孫も大きくなったし今度一緒に旅行に行きたい」といった他愛のない話だ。
その光景を見て段々と記憶がよみがえる。たしか、このあと老婦人がグラスを落としてしまい、店員が慌てて駆けつけたのだ。その店員は「新しいのをお持ちしますから、お気になさらないでくださいね」と老婦人に声をかけていたはずだ。
そんなことを考えていると、老婦人がグラスを落とした。慌てて店員が駆け付ける。
「新しいのをお持ちしますから、お気になさらないでくださいね」
店員はそう優しく声をかけた。
【アイデア】
今見た光景を含め、周りの事象・状況は記憶の中の3月12日と一致していると確信を得る。
［KP情報］席を立って彼らに干渉する場合→イベント：反射像へ
③駐車場
窓から駐車場に目をやると、ちょうど店から出て通りを抜けていく二つの人影が見えた。
【目星】
暗くてよく見えないが、背格好や服装が自分たちに似ているような気がした。
［KP情報］3月12日のディナーを終えた探索者たちの姿。店を出て追いかけるなら確実に自分たちだとわかるが、話しかけたり干渉したりする前にイベント：反射像が発生する。
探索後の処理
探索を終える場合→イベント：反射像へ
シナリオ全文はBOOTHにて頒布中
無料試し読みはここまでです。
シナリオ全文は下記から購入できます。興味がございましたら、ぜひ遊んでみてくださいね。
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