鯉登と月島とマユンガナシと1万歩【おでかけログ】

7月17日(日)、スマホゲー『ピクミンブルーム』ではコミュニティデイが開催された。
コミュニティデイとはピクミンに特殊な花を咲かせられる蜜や、特別なバッジがもらえたりするイベントだ。
しかも何時間もかかる周回や課金によるブーストも必要なくただ1万歩歩けばいいという親切設計なのである。

というわけで炎天下の中、普段1日平均50歩の体育会系である私は外へ出たのであった…。

 


1スポット目:企画展『日本の映画館』

コミュニティデイは漫然と歩いててもただのセルフ拷問でしかないので、かねてより気になっていた企画展を行脚することにした。

1スポット目は国立映画アーカイブの企画展『日本の映画館』である。

7月17日までの開催なので完全に滑り込みだった。ちなみに国立映画アーカイブは古今東西の名作を上映しまくったり、貴重な撮影資料などを公開してくれている文化施設で、京橋駅から歩いて30秒くらいのところにある。

日本の映画館 | 国立映画アーカイブ
国立映画アーカイブの日本の映画館のページ。

この企画展は常設展示の『日本映画の歴史』と併せて250円で観れた(安すぎる)。

日本の映画館がどのように建てられ、宣伝され、経営されていたのか当時の写真を交えつつ解説してくれている。全展示撮影OK。

特によかったのは当時の映画看板の紹介。

激・良すぎ。

カラーで残ってないのが残念極まるレベルのクオリティ。さすが映画が娯楽の覇者だっただけあってものすごい凝ってるしデッッカい。他にも『七人の侍』や『シンデレラ(ディズニー)』などの映画看板が紹介されていた。

映画看板以外では当時のマーケティング部門が使っていた宣伝費用と効果を計算した手書きのノートがあった。当たり前だが激烈外回り営業時代なので、映画館の広報部と言えどチラシを貼らせてくれそうな家や施設を一件一件回ってたそうだ。TwitterもYouTubeもないから街頭宣伝だけが頼みの綱なのである。

ちなみに川崎ではこういう異常宣伝がされていた記録もある。『地下水道』という映画なのでマンホールから人が飛び出ているのだ。危なすぎるだろ。

ただ、今で言うところの謎コラボグッズとか謎ハッシュタグとか考えるとこっちのほうがまだ理解(ワカ)るような気がする。#バットマン超エモい

マーケティング以外だと、統制下時代に出された映写機の修理について業務連絡(戦時中映写機の製造が禁止されて大変だったらしい)が面白かった。

映画系の企画展と言えばどうしても作品にスポットライトを当てたものになりがちだし、こちらも行きがちだが、「映画館の歴史」を取り上げてくれるのは貴重で嬉しい。

そして私はこの時点で汗だくで死にかけていた。

 

 


2スポット目:企画展『まれびとと祝祭』

2つ目は高島屋でやっている企画展『まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―』である。高島屋というのはあの高島屋で、つまり日本橋駅直通である。

ただ私は1万歩を背負いし者なので川から出てきた河童みたいなステータスで京橋駅から日本橋駅まで歩いた(地元の人ならわかるが大した距離ではないのだ)。

高島屋に着いた時点でまだ6500歩くらいで、「バッジとかいらねぇだろ…クソが…」と心が折れかけていた。が、先に1万歩達成したフォロワーから急に呼び捨てにされるというピクミンマウントを取られたので奮起したのだった。

これは肝心なところに私の映り込みが発生したせいで何も伝わらない写真。

高島屋資料館は高島屋4階にある小さいスペースなので、すぐ見終わってしまう程度の展示量だ。ただ、だからこそ「興味が出て自分で深堀りしたくなる場」の提供になっているのではないかと思う。無料だし。

モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ@高島屋史料館TOKYO
これまで文化批評の文脈で、モールは社会を均質化し、古くからある商店街を虐げる存在として批判の対象となってきたことが多いように思います。しかし、私たちは、今日においてモールはむしろカルチャーを育む土壌であり、文化的象徴でさえあるのではないかと考えています。それは即ち、現代の都市における最も重要な公共圏であり、私たちの日々...

私は企画展のテーマ(まれびと信仰)にめちゃ・興味ありだったのと、こういう展示では必ずナマハゲが出るので「ま、ウチのですけど?」と後方彼氏面をするために行ったのだった。

しかし!

なんと!

そこで!

鯉登少尉と月島がやってた「出産の際に臼の神様に祈る儀式」のガチ映像が見れたのである!!!

えっ…うれし~~~~~!!!地域が違うので臼は回さずに杵で突きながら前進するという動きだったけどマジでテンションブチ上がった。セレブマダムたちが居る高島屋で「勃起!!!!!!!!」て叫びそうになった。

ていうかたぶんリュミエール社の映像なんですよね(メモするの忘れたので定かじゃないけどたぶんそう)。他にも様々なアイヌの儀式の記録映像を見れた。

これだけでも完全にありがとうなのだが、個人的に沖縄県のマユンガナシという神様を知れたのも大きかった。何が大きかったってビジュアルが好きすぎる。常にうつむいていて笠で顔が見えず、でかい蓑とでかい木の棒(??)を持っている。福をもたらしてくれる神様なんだけどこの…人っぽいけど絶対人ではないビジュアルが最高。ありがたさと怖さが同時に存在するというか…。

うろ覚えの再現イラストなので細かいところは違うと思う。

このマユンガナシも映像でやってた。怖かった(怖いしか言ってない)。ナマハゲはめちゃくちゃ喋るけどマユンガナシは人語を話さないのだそう。「フーンガ!!」みたいな合いの手は入れてくれる。

そういえば来訪神って、会話できる神のほうが多いのだろうか?ナマハゲは「悪い子はいねがーーッ!!!(怒声)」はすれど、そのあと普通に会話できる。もし地元の来訪神はこうだぜ!っていうのがあったらぜひマシュマロで教えてください。

 


そして帰宅…

充実した時間を過ごした一方、あり得ないくらい汗だくになって帰路に就いた。家の前でようやく1万歩を達成した。

専用画像まで作ってもろて…ありがとう…ありがとう…

いややっぱ1万歩ってキツすぎないか?

 

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