公開年：2020年
監督：ブライアン・ベルティノ
主演：マリン・アイルランド
ジャンル：オカルトホラー、悪魔
鑑賞日：2023年5月17日
『ダーク・アンド・ウィケッド』ネタバレ感想
最近、だいたい週１でホラー映画を見る会をフォロワーとやっておりまして、その中でも初見だったのがこの映画。
「なんか怖いらしい」しか事前情報を持ってませんでしたが面白かったです。
映画のあらすじ
田舎に住む母と寝たきりの父を訪ねたルイーズとマイケルは、母の様子がおかしいことに気づく。言動や行動がまるで狂人で、二人に「早く帰れ」と繰り返すばかり。そうして何日か経ったあと、突然母が自殺した。ルイーズとマイケルは悲しみに暮れながらも、次第にこの家を狙う「何か」に気づき始める。それは寝たきりの父の魂を狙う恐ろしい「悪魔」だった！
というわけで令和だともはや珍しい部類に入りそうな「悪魔もの」のホラーです。
ざっくり悪魔ものと言えば『エクソシスト』『オーメン』『ローズマリーの赤ちゃん』など古き良き名作から、『パラノーマルアクティビティ』『●REC/レック』といったモキュメンタリー風のものなど粒ぞろいです。
しかしこの映画は上記悪魔映画ともまた一風違った、「派手な画なしで悪魔の怖さを描く」ことに特化した作品だなあという印象でした。
ストーリーの面：徹底した悪魔優勢展開
この映画のすごいところは「悪魔に1回認識されたら何をしても駄目」というテーマから一切ブレない点。
普通ならみんなで力を合わせていい感じのところまで悪魔を追い詰めたり、最後主人公だけでも脱出できたりしそうなものですが、『ダーク・アンド・ウィケッド』にはそれが1ミリもありません。冒頭、母を訪ねて実家に帰ってしまった時点で主人公たちの運命は決してると言ってもいいくらいです。
なのである程度のカタルシスを求めて映画を見る人にはしんどいかもしれません。私はこの「はい無理無理無理死死死死死」って感じが好きだったんですが、正直好みは分かれそうだな～と思いました。
とはいえ登場人物も最小限に抑えていてわかりやすいし、悪魔の嫌がらせのバリエーションがめっちゃ豊富なので見ていて飽きない。ところどころ「微妙に脱出できそうな雰囲気」を出す塩梅も絶妙です。
ちなみに鑑賞後にフォロワーと「どうすれば悪魔を退けられたのか？」を話し合ったのですが、登場人物たちが信心深くなかった（無神論者で教会にも行ってないっぽい）という点を踏まえて、「教会にはちゃんと行こう」という結論になりました。童話か？
ホラーの面：じわじわと着実に嫌なことが起こる
ホラーの面で嬉しかったのはなんと言ってもジャンプスケア（びっくり演出）がほとんどないこと！
もちろんジャンプスケアホラーも好きですが、あまりにそればかりだと飽きるので…。『ダーク・アンド・ウィケッド』は視覚的に怖い映像はありつつも、瞬間最大風速的に怖がらせるシーンはあまりありませんでした。
わかりやすい怖さより、どちらかというと「不気味さ」「無力さ」に重きを置いてる印象です。雰囲気としては『オーメン』に近いかもしれません（個人の感想です！）。
田舎のだだっ広さと明かりのなさが主人公たちの無力さに拍車をかけていて、怖いながらもぐっとくるシーンが多かったですね。
ただちょっと地味グロポイントも高めなので痛そうなシーンが苦手な人は気を付けたほうがいいかも。
個人的には期待値を超えた怖さだったのでうれしかったです。
総評：アツい
『ダーク・アンド・ウィケッド』の悪魔はとにかくアホほど強い。そして強さの理由はほとんど説明されません。
正直、我々のようなキリスト教とは縁遠い人間からしたらパワーバランスおかしすぎと思うこともないレベルで強いです。いわゆる「運営このゲームプレイしたことある？」ですね。
ただ、そこが逆に興味深いというか、悪魔ものならではの西洋的価値観に触れてる感じがして私は好きでした。「悪魔の中でもめちゃくちゃ強い」とかそういう理由付けすらないのですが、「作中で理由付けしてない」だけなのか「共通認識としていらない」のかもわからないのが面白いなと思います。一人で観て考えてたらそもそも悪魔ってなんだ？っていうところにまで思考が飛びそう。
だからなんか、見終わったあと「お前（制作陣）の悪魔への熱い思い、伝わったぜ…」みたいになるので、総評としては激アツ映画かもしれません。
俺、バカだから難しいことはわかんねぇけどよ…お前の気持ちは本物ってことはわかるぜ！（親指を立てる）
5段階評価
おもしろさ：☆☆☆☆
画の綺麗さ：☆☆☆
テンポの良さ：☆☆☆☆
キャラの良さ：☆☆☆
マイケルの死に方エロい：☆☆☆☆☆