日本のいちばん長い日

戦後70年なので
longest.jpg
日本のいちばん長い日
公開年:1967年
監督:岡本喜八
主演:三船敏郎
製作国:日本
時間:157分
配給:東宝
ジャンル:戦争、ノンフィクション
鑑賞日:2015年8月20日
続きで感想


【だいたいのこと】
1967年に公開された「1945年8月14日正午から8月15日正午までの日本」を描いた作品。
2時間半という長い上映時間は大まかに分けると敗戦の決定を下す上層部の度重なる議論がメインの前半と、天皇を奉じて本土決戦に持ち込もうとする陸軍の下士官たちをメインとする後半に分かれる。
【かんそー】
ついこの間リメイクされた『日本のいちばん長い日』。
一応毎年終戦日付近に流れるドキュメンタリーや特別ドラマは見てるようにしてるものの
今年は戦後70年という節目の年なので一応1本くらいは自主的に触れておこうかなあと。
さて、私が観たのは1967年に公開されたほうです。
実はリメイク版がもう公開されてると知らず、先にオリジナル観とこうという軽い気持ちでしたが観てわかりました。こんなんリメイク無理ですわ。たぶんリメイク版相当別物になりますわこれ。
と、いうのも全編通して硬派も硬派、誰か一人に肩入れすることもなく軽率なお涙頂戴もなく、ただひたすら淡々と、日本が負けたその日をなぞる群像劇です。
誰もヒーローじゃないし誰も悪人じゃない。これがお偉いさんたちから下っ端の兵士まで徹底されてて、だから悲しい日でも喜ばしい日でもなく「長い日」なんだと思います。
また、限られた24時間を舞台にしてるので当然多くの事象が並行して進みます。それに従って動く人間の数も多くなるので無論一人あたりのセリフは少ないのですが、そんなの本当に関係ないくらい、各人の心情を役者が無言の演技で語ってくれます。
あんまり演技について知識も審美眼もないので普段はとやかく言わないんですがこれはもうマジ。無言のときの目や眉の寄せ方が本当にすごい。つまり私みたいなド素人にも伝わるくらい鬼気迫っているというわけです。
それに似た要素で手もかなり多くのことを語っています。阿南が刀を強く握るシーンや天皇の手が少し動くシーンなど心の動きを手で表現してる部分が多いです。実際、手がアップになるカットがいくつかあります。
私がいいなあと感じたのは基本カメラが冷めてるという点。
登場人物が怒声をあげたり泣き喚いたりしてもカメラがそれに同調してないというか…煽らずやっぱり淡々と撮ってるんですよね。
すっごい回り込んで溜めに溜めて音楽も壮大で全力で煽ってくる演出も嫌いじゃないですけど(まんまと嵌って泣きますけど)この冷静な感じが非常に良かったです。どこまでも「長い日」なんです。
あと兵士の持ち物として『出家とその弟子』が映るのも印象的でした。後のカットで放り出されてるので親鸞の教えも無意味だったょ…って意味なのかもしれませんが、私あれ善鸞にめっちゃ肩入れして読んでたから記憶が…。
肩入れといえば、私は終始宮城事件の首謀者共にまったく感情移入できずひたすら死ねとしか思ってなかったけど人によってはそっちに同情する人も居るんだろうなあと。
ところでリメイク版のポスターなんだけど。
longest2.jpeg
やばい。(やばい)
もうポスターからしてフィーチャーされてる人全然違う…
しかもすっごいイイ話感が出てる…
公式サイトで相関図観ましたがオリジナル版ではほぼ皆無だった女性の登場人物がかなり増えててだめだコリャ感強いですね!
旧作レンタルで観ます!


【評価】
おもしろさ:☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆
日本の葬式:☆☆☆☆☆
よかったら押してね
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました
inserted by FC2 system