ジャッカルの日

ほいっと
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ジャッカルの日(原題:The Day of the Jackal)
公開年:1973年
監督:フレッド・ジンネマン
主演:エドワード・フォックス
製作国:フランス、イギリス
時間:143分
配給:CIC
ジャンル:サスペンス、アクション
鑑賞日:2016年2月20日
続きで感想


【だいたいのこと】
舞台は1958年にシャルル・ド・ゴールが大統領に就任したことにより第五共和制が敷かれたフランス。四年前から続いていたアルジェリア戦争は泥沼状態に陥り、ド・ゴールは駐屯軍の期待とは裏腹にアルジェリアの民族自決を支持、戦争は終結した。しかし「フランスのアルジェリア」を信じて戦っていた者たちはこの決定に納得せず、テロ組織OASを結成。アルジェリアでのテロ活動と平行してド・ゴール政権打倒を企てる。
しかし反乱の計画はことごとく打ち破られ、ついOASは消滅の危機に立たされる。そこで彼らはOASと全く無関係の暗殺者の男に最後の計画としてド・ゴール暗殺を依頼。射撃の腕は一流だが素性は一切不明。彼らが名を聞くと男は「ジャッカル」と笑顔で答えた。
【かんそー】
アメリカの超メジャーどころを紹介することが多いこのブログではめずらしい英仏共同制作の映画です。
伝説の暗殺者ジャッカルとそれを阻止する警察の全面対決!と書くといかにもスタイリッシュアクションめいたものを感じますが、実際は淡々と一歩ずつ確実に大統領に迫っていくジャッカルと、わずかな情報からジャッカルを追跡していく警察の、壮絶な知能戦が描かれた硬派な仕上がりになっています。
なのでジャッカルと警察のアツいガンアクションというものは一切なく、そもそも両者が顔を合わせるのは最後の最後だけです。(ここがほんとに面白いと思います)
警察はジャッカルの顔を知らず、ジャッカルも担当刑事の顔を知らない。ただ手を読みあってるうちにお互い相手がとてつもなく「冴えた」奴だということには気づいていて、終盤に向けて裏のかきあいがデッドヒート化するのがまさに手に汗握るって感じです。
そんでこのジャッカルがまた入念な奴で、大統領を撃つための最適な日付けを調べるところから始まり、狙撃ポイントの確保、武器の調達、身分証の偽造など必要なものを全部自分ひとりで揃えていくんですね。というか映画の大半はこのジャッカルの仕事っぷりを描写してるんですが、ともかく本当にこのジャッカルの頭の良さがかっこいいんです。
しかも「Aというものを準備して次のシーンでA’をする」というような単純な構造になってないので序盤で用意したAが全然関係ないタイミングでA’として機能したり、こっちが忘れてるような何気ないシーンが実は重要だったりとストーリーを追ってくだけでも緊張します。
っていうかもうキャラとかシーンとかそういう限定的な話じゃなくてこの映画の全てが中二病センサーにブチ当たるっていうかマジで何かをこじらせる力を持ってると思います。
特に創作やってる方は観て絶対に損はないと思う…。ほんとに…。
ちなみにラストシーンは最高の終わり方ですがヨーロッパの慣習(特にフランス)を知らないと「???」ってなるのでやっぱり1回観てわからないとこは調べてもう1回観るとかにしないとだめ…かな…いやまあ偶然ああなったっていう解釈でも観れるっちゃ観れる…?(私は結局調べた)
あとジャッカル関係はともかくOASとかは実際に存在した組織だからそのへん知ってるともっと面白いのかもしれない。一応冒頭で説明してくれるのでついていけないってことになはならいけども。
とりあえずこれもまた何もかもがネタバレになるのでフワっとした感想しか書いてませんが、観てほしい映画は極力ネタバレしないようにしてるので…観てください。よしなに。


【評価】
おもしろさ:☆☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆
緻密!:☆☆☆☆☆
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