リンカーン/秘密の書

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リンカーン/秘密の書 (原題:Abraham Lincoln: Vampire Hunter)
公開年:2012年
監督:ティムール・ベクマンベトフ
主演:ベンジャミン・ウォーカー
製作国:アメリカ
時間:105分
配給:20世紀FOX
ジャンル:オカルト、アクション、歴史
鑑賞日:2013年3月30日
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【だいたいのこと】
2013年、世界はゾンビ化したティムバートンの大群に覆われた。
罪無き一般市民が次々とティムバートンに襲われる中、アメリカ政府は
未だ徹底排除の決断をせず、ただ無闇に兵士を消耗するだけであった。
「クソッ…どうして政府はなにもしないんです!」
今日が初陣の若き兵士ジョンは悔しさを露わにしている。
「落ち着け、ジョン」
隣で銃を構えた壮年の男性が言う。堅牢な体にはいくつも傷があり
左目は失われていた。
「上官…しかし、これじゃあ俺たち生きて帰れませんよ!」
ジョンは前方に待ち構えるティムバートンたちを睨んでいる。
上官と呼ばれた男はフッと笑みを浮かべ懐から葉巻を取り出した。
「今朝上から電報が届いた。『監督ニアラズ。製作デアル』だ」
「勝てるかもしれないってことですか?」
ジョンは希望を持ってそう尋ねたが、返事はなかった。
【かんそー】
「馬のシーンだけはよかった!馬のシーンだけはよかった!」
掛け声を出しながら曇天の下隊は前進する。
戦いが始まってものの30分ですでに隊員の7割を失っていた。
―――これが、ティムバートン
ジョンは恐怖していた。弾をこめる手が震える。
彼はすでに何人ものティムバートンに襲われ、負傷した。
「ぐわっ」
繰り返される戦闘シーンでのスローモーションが彼の左足を掠める。
バランスを失ったジョンに間合いを詰めたティムバートンが
端折りすぎて逆に間延びしたストーリーを叩き込もうとしていた。
―――やられる!
思わず目をつぶったが、痛みは無い。
おそるおそる目を開けると、そこには見慣れた傷だらけの体があった。
その大きな影がでもレンタルだしを食らわせ、ティムバートンは倒れた。
「上官っ!」
倒れこむ体を必死に支える。この人は自分を庇ってくれたのだ。
ジョンの目から大粒の涙がこぼれた。
「泣くな、坊や」
「でも…っ!」
「一つおもしろい話をしてやろう。俺のこの体の話だ。俺は何回も前線に出て、なぜか俺だけが生き残った。見ろ。この傷はマーズアタック作戦のときのだ。全ての始まりだ。これがスリーピーホロウ作戦、これがビッグフィッシュ作戦、目は…アリスインワンダーランドで失った。だが俺は死ななかった」
男は血の流れる口の端を上げ気丈に笑った。
「きっとこのときのためだったんだろうな」
「教えてください――どうしてこんなことに…どうしてティムバートンは…」
「ジョン」
泣きじゃくる青年を右目だけで見据えて男は言った。
「ジョン、ティムバートンは…俺たちだ」
「え――――」
ジョンが言葉を失い、男の手が力なく垂れた。
一度ティムバートンを知ってしまった人間はティムバートンの地獄に囚われる。
今、この世界を蝕んでいる大量のティムバートンは、我々なのだ。
「ふざけるなあっ!」
ジョンの叫びは四方から押し寄せるティムバートンの雄たけびに虚しくかき消された。
END


【評価】(各☆5つで満点)
おもしろさ:☆
画の綺麗さ:☆☆☆☆
テンポの良さ:☆☆
キャラの良さ:☆
別にティムティムしいわけでもないし:☆☆☆☆☆

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