夜と霧

映画感想
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夜と霧
公開年:1955年
監督:アラン・レネ
主演:なし
製作国:フランス
時間:32分
配給:アルゴスフィルム
ジャンル:ドキュメンタリー、戦争
鑑賞日:2013年5月6日
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【だいたいのこと】
ナチがアウシュビッツ強制収容所で行なったユダヤ人虐殺を、実際の収容所内の映像・写真と
現代の廃墟になった収容所を交互に映しながら告発した短編映画。
当時まだ知られていなかったホロコーストの実態を偽りなく使った衝撃的な内容。
【かんそー】
名前ばかりが有名で、よく漫画や映画などに使われる「アウシュビッツ帰り」という設定、
もしくは大罪の代名詞としてよく聞くホロコーストですが、具体的になにをしてたのかは
よく知らない人が大半だと思います。とくに日本人は。
だからナチに興味のある人は一度は観たほうがいいんじゃないかな、と。
私もこれを観てずいぶん印象が変わりました。(元々酷い組織だったのは知っていても)
1941年、ヒトラーは総督命令「夜と霧」を出す。
それは“ドイツの治安を乱す者”を強制的に選別、連行し、収容所に隔離するものであった。
カプと呼ばれるドイツ人刑事犯とユダヤ人が各地に作られた収容所へと入った。
そこには囚人内で階級があり、カプが一番上、下にユダヤ人が続いた。
カプはユダヤ人を監視し、個室を与えられた。
一方ユダヤ人は寝床だけの粗末な大部屋に大量に押し込められ、毎日労働に従事した。
収容所には住居、病院(内科棟・外科棟)、売春宿、監獄、動物園などがあり
一つの都市として機能していた。
しかし病気のユダヤ人が病院に行っても、与えられるのは一種類の薬のみ、悪化すれば
毒を打たれて殺されていた。また外科棟は治療施設ですらなく、運ばれたユダヤ人は
薬品投与や身体切断などの人体実験の材料にされていた。
ユダヤ人の髪の毛は毛布に加工され、肉のついたままの死体は石鹸に、骨は肥料に、
皮膚はメモ帳や絵はがきに使われていた。

数年後、敗戦の気配が色濃くなるとドイツは石炭不足に悩み、死体を火葬できなくなった。
ユダヤ人の死体はそこらじゅうに放置され、やってきた連合軍はブルドーザーでそれらを寄せ
大きな穴に埋めた。
と、どれだけ書き連ねても足りないくらいの惨状がいくつも告発されています。
観る価値は大いにありますが、実際の虐待や餓死死体、焼死体や処刑、人体実験の様子など
とてもショッキングな映像が大半なので注意が必要です。

グロこわい~!みたいなふざけた気持ちで観るものでもないです。


【評価】(各☆5つで満点)
おもしろさ:☆☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆☆
キャラの良さ:-
一見の価値:☆☆☆☆☆

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