ペイルライダー

デケドン
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ペイルライダー(原題:PALE RIDER)
公開年:1985年
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド
製作国:アメリカ
時間:116分
配給:ワーナー・ブラザーズ
ジャンル:西部劇
鑑賞日:2015年10月13日
続きで感想


【だいたいのこと】
時は19世紀末、カリフォルニアのとある谷、住民たちはこの地の金採掘権を狙った資産家ラフッドの手によって日々嫌がらせを受けていた。しかしそんなある日、谷にふらりと男が一人やって来た。「蒼ざめた馬」に乗ったその男が数秒のうちにラフッドの手先たちを倒すと、驚いた住民たちは男を家に招き入れて歓迎した。男は赤いコートに黒い服の、「牧師」の格好をしていた――
【かんそー】
上のあらすじを読んだだけでもぞくぞくするでしょ?
クリント・イーストウッドが監督・主演を勤めた西部劇で『許されざる者』と並んでファンが多いこの作品。
イーストウッドの「牧師」がかっこいいのなんの。
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「牧師」は素性も名前もわからない謎の男です。
フラッと谷に現れて何も語らず、娘の恋心にも若い男の憧れにも応えずにフラッと居なくなります。最後「牧師」が居た場所に残ったのはラフッドとその手下ストックバーン一味の死体だけでした。
流れ者が出てきて殺す!というのは昔イーストウッド自身が主役を務めた『荒野の用心棒』『荒野のストレンジャー』などでもおなじみの展開です。『シェーン』のオマージュシーンもあるので本家とマカロニを折衷したかなりお約束な「西部劇」であると言えます。
それ故に安心して楽しめますし、「牧師」の物言わぬ強さに惹かれる一本となっています。
が、本当に「フラッと来た流れ者がやけに強くて悪党たちをやっつけてくれる!すっきり爽快!」なのか?というのが、この映画のミソでもあります。(もちろんそんなこと知らなくても全然楽しいけど)
彼は真っ黒い服を着ています。だから住民は「牧師」と呼びました。
「牧師」は「蒼ざめた馬」に乗っています。
「牧師」には背中に6発の銃創があります。
「牧師」の敵でラフットに雇われたストックバーンは彼を「死んだはずだ」と言いました。
「牧師」は最後ふらふらとどこかへ歩いていきます。「牧師」はなんだったのでしょう?
ここで一つ関係してくるのがこの映画のタイトル『ペイルライダー』です。
「ペイルライダー」とは『ヨハネの黙示録』に出てくる第四の騎士「“死”の騎士」を指します。死の騎士は文字通り地上の人間に死をもたらす災厄の力を持っており、「蒼ざめた馬」に乗っています。
日本版ポスターに付けられたコピー「…そいつは地獄の香りがした。」も明らかにペイルライダーの語義を意識したものになっています。
つまり、彼はただの強い流れ者ではなく、死そのものだったのではないか?という解釈ができるのです。
ストックバーンはかつて「牧師」と対峙し、6発の銃弾を浴びせたましたが、彼自身が「死」なので彼は死なず、再び「死」としてストックバーンの前に現れた、と考えれば彼らの意味深な行動や発言も辻褄があいます。
もちろん解釈には観た人によって様々存在し、
・「牧師」はストックバーンに殺されたが幽霊となって復讐しに来た
・「牧師」もストックバーンも人ならざる者であり、彼らが言う因縁とは冥界の戦いに関係している
・ストックバーンはただの人だが、前世で「牧師」と対峙した
などなどいくつも萌えるアツい考察が成されています。
正解は明言されてないようなので、是非みなさんも鑑賞して自分だけのペイルライダーを作ろう!考察してみてください。
私がこれを好きな理由はペイルライダーの聖書云々という話を知らなくても西部劇映画としてちゃんと面白いからです。観てる側が考察しなきゃ面白くない映画っていうのは、いくら意識が高くてもそりゃ面白くない映画だと思います。思考停止してても面白い映画が一番いい映画です。わかったかこの野郎!!(思い出し怒り)


【評価】
おもしろさ:☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆☆
牧師様~:☆☆☆☆☆
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