ローズマリーの赤ちゃん

久しぶりのホラー
baby.jpg
ローズマリーの赤ちゃん(原題:Rosemary’s Baby)
公開年:1968年
監督:ロマン・ポランスキー
主演:ミア・ファロー
製作国:アメリカ
時間:136分
配給:パラマウント映画
ジャンル:ホラー、オカルト
鑑賞日:2016年3月20日
続きで感想


【だいたいのこと】
ローズマリーは恋人のガイと共にNYのとあるアパートに引っ越した。古い建物ながら広さは申し分なく、アンティーク調の内装も素敵だった。隣人のカスタベット夫妻は少々おせっかいが過ぎる性格だったが、ガイは気にしていないようだし、新生活のためにもローズマリーはガマンした。カスタベット夫人がくれた妙な匂いのする「お守り」も捨てずに持っていた。しかしある晩、ローズマリーは悪夢を見た。それはガイやカスタベット夫妻、アパートの住人たちに見られながら、悪魔に犯される夢だった。その日からローズマリーは悪魔信仰について調べ始めた。自分は悪魔の使いたちにだまされて、悪魔の子を身ごもらされたのではないか?ガイも夫妻も、かかりつけの医師も、思えばみんな変だった。ローズマリーは自分の身を守るため、ひそかにこのアパートを抜け出す準備を始めた…
【かんそー】
ロマンポランスキー監督のオカルトホラー。
グロが売りのスプラッタホラーやビックリ押しのパニックホラーではなく、オカルトホラーです。
洋画のホラー映画ってでかい音や衝撃的なシーンで怖がらせる最大瞬間風速的な映画が多くて、それこそびっくりシーンではびっくりしても観終わったあとに「いや~いいホラーだった!」と思ったことはないんですが、『ローズマリーの赤ちゃん』はきちんとストーリーで怖がらせてくれる骨太ホラー洋画の一つであります。
常々ブレア○ィッチプロジェクトとかR○Cとかパラノーマ○アクティビティとかをおすすめホラー映画として挙げてくる奴を人肉シチューにして川に流したいと思ってる身としてはなんとかこういうホラー映画をたくさん見つけてみなさんに紹介していければなと思います。やらないけど…
この映画は上記のあらすじのとおり、基本はローズマリーがなんやらアヤシイ奴らにアヤシイことをされて、それが悪魔と関わってるんじゃないか、という体で展開してきます。
その上、前半からローズマリーは嫌な思いばかりしていて、観てる側はすっかりローズマリーに肩入れする形になります。ローズマリーの悪夢は酷いものだったし、ローズマリーの言うとおりマンションの住人は怪しいから「奴らの正体を暴いてやろう!」と彼女を応援したくなるのです。ストーリー的にもそうやって観ててなんの齟齬もないので中盤には疑いようもなく彼女が悪魔の手下たちと勇敢に戦ってクライマックスだろうと思います。
しかし、それが物語が終わりに近づくにつれ、ローズマリーはマンションの住人たちが悪魔の手下だと証明することに必死になりすぎてまさに「取り憑かれて」るかのような行動を見せ始めます。おなかの赤ん坊を悪魔のいけにえにされる!とヒステリックに叫び、周囲からも頭がおかしくなったのだと気の毒がられる始末。ローズマリーの怒鳴り声と鬼の形相(女優さんの演技がほんとすごい)が急速に観てる側に不安を募らせていきます。もしかして、本当に最初から彼女はおかしくて、悪魔の手下なんてどこにも居やしないんじゃないか?と。ローズマリーへの同情を捨てて今までのことを思い返すとなるほどたしかに誰かが悪魔に関わってるという決定的なシーンは一切ない。映画も終盤であろうに、突然視聴者はひとりぼっちにされてしまうのです。今までローズマリーの味方として観てたのに今はもうどっちがおかしくて、どっちがマトモなのか自分で考えなきゃいけません。しかももうラストまで時間がない。「こわいもの」がなんなのかわからなくなる恐怖を見事に与えてくれます。
この前半~中盤までのオカルトミステリー展開と、終盤の突き放され感、そして終わり方…どれを取ってもよく計算されてるなあと思います。ほんとに急に放り出された感じがたまらない。いいホラー映画です。
あと個人的に悪魔とローズマリーのセックスがやたら萌えた。
とりあえずびっくりに頼ってないからホラー苦手な人でもたぶん大丈夫なので挑戦してみてはいかがでしょうか。ストーリーのあるホラーに飢えてる方も是非!
オープニングの曲が既になかなかキてるのでこれだけでもどうぞ。


【評価】
おもしろさ:☆☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆
こわい(直球):☆☆☆☆☆
よかったら押してね
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました
inserted by FC2 system