桐島、部活やめるってよ

お久しぶりです
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桐島、部活やめるってよ
公開年:2012年
監督:吉田大八
主演:東出昌大
制作国:日本
時間:103分
配給:ショウゲート
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春、恋愛
鑑賞日:2015年11月22日
続きで感想


【だいたいのこと】
フラッシュバックで胃が痛い
【かんそー】
結構前に観たんですが更新サボってました。
2012年に公開されさまざまな賞を獲得した青春映画です。
最初にはっきり言っておくと「賞を取ったのもわかる」と頷けるいい映画でした。
勧めてくれたGんのこし(仮名)に感謝。
で、とりあえず題名とポスター、青春映画っていう字面だけで敬遠してる方も居るかもしれないので、誤解されやすい点について説明しておきます。
1、桐島は居ない
まずポスターにでっかく映ってる神木くん。これは桐島じゃないです。
そもそも、この映画の最大の特徴で最も面白い点が、桐島という人物は登場しないという点です。
「桐島くんという男子生徒が部活をやめる」という事象は起きますが「桐島」という役の子は居ません。
2、群像劇
この映画は完全な群像劇です。主人公は存在しません。(記事では一応出番多めの東出くんを主演と書きましたが)
「桐島が誰にも相談せず突然部活をやめた」ことで、桐島の彼女、桐島の親友や親友とはいかないくらいの友達、ただのクラスメイトなど様々な生徒の学校生活に少しずつ齟齬が生じていきます。
3、往復する時間
作中で言及されてる期間はほんの数日で、スポットが当たる登場人物が変わるたびに少し戻ります。
同じ時間を違う視点で何度も描写している感じです。
この3点がわかれば今まで興味なかった人の中にも気になってくる方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?桐島不在の中ガラガラ崩れていく人間関係や、行ったり来たりを繰り返す時系列、明るく元気な成長物語とは似ても似つかない仄暗い映画です。
こっからは私の感想です。ネタバレも多いので観たいと思った人は読まないほうがいいかも…。
とにかく「高校生」と「学校」の表現がすばらしい。
校舎の間を吹く風だったりそこまで照明が効いてない校内だったり、遠くから聞こえる運動部の声だったり、風景の切り取り方が素敵です。でもそれ以上に良かったのは役者の演技でした。感情的な盛り上がりがほとんどないにも関わらずセリフひとつひとつが異常にリアルで、すごい通り越して気持ち悪いというか胃が痛いですほんとに。自分の記憶の中のクラスメイトや先生たちに寄ってたかってボコられるような…そんな容赦のなさと臨場感があります。特に松岡茉優って子の演技はすごかった。(この映画で初めて知りました)正直、内容抜きにしてこの空気と演技だけでも一見の価値はあると思います。
そういうわけで演技と風景は徹底してリアルを追及してる感じですが、ストーリーはというと、これがなんというかファンタジー現実みたいなとこがあるんですよね。そこがまた良いんです。
ファンタジー現実っていうのは今てきとうに考えた言葉ですけど、つまり「現実はそう上手くいかないよね」みたいな展開です。引きこもりニートがたまたま本屋で知り合った美女と付き合うとか、「ないない!」っていう類の話。この映画もじめじめしたオタクの寄せ集めの映画部が運動部のイケイケの奴らに一矢報いる(報いようとする)シーンがクライマックスになっており、非常に「そんなばかなことがあるか」というファンタジー現実なわけです。
で、そのファンタジーっぷりが、先に述べた「描写のとてつもないリアルさ」と激突するのでものすごく奇妙で魅力的な作品になっています。だからこそファンタジー現実でも成立するっていうか…語彙がないのでアレですけど、「そんなばかな」展開がチープに見えないんですよね。
あとは終わり方とかエンディング曲とか、魅力的なとこはたくさんあります。けど個人的にいつまでも見てたい空気感だったのでラスト関係は「あ~終わっちゃった…」っていうさびしさが勝っちゃいました。


【評価】
おもしろさ:☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆
つらい:☆☆☆☆☆
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